Night Golf
Corporate Identity / Branding
CLIENT
パシフィックゴルフマネージメント株式会社
Story
パシフィックゴルフマネージメント株式会社様は、ナイターゴルフを全国の各ゴルフ場で展開しており、ターゲティングやブランド価値を再構築するため、ロゴ制作およびリブランディングを担当しました。

昭和の時代、ビジネスマンの付き合いやアフター5のレジャーとしてナイターゴルフは親しまれていました。しかし時が流れ、「ナイター」という言葉は徐々に古びた印象を帯び、若年層や女性にとっては、馴染みのないもの、あるいは遠い世界のものになっていました。
一方で、現代の若い世代は夜の時間の使い方に対して新たな価値を求めています。
昼間は働き、夕方以降は自分のために過ごしたい──
夜景を見ながら身体を動かしたり、仲間と語り合う非日常を求めるライフスタイルが、静かに、しかし確実に広がりつつあるのです。
私たちは、そんな価値観の変化に着目し、ただの“ナイター営業”ではなく、「夜だからこそできる、心地よいゴルフ体験」をコンセプトに掲げ、サービスのリブランディングに取り組みました。
Approach
本プロジェクトではまず、「ナイターゴルフ=古い・おじさん向け」というイメージを刷新すべく、ブランド名称そのものを再定義するところからスタートしました。
ネーミングにおいては、「ナイター」ではなく、“ナイトゴルフ”という現代的な語感に切り替えることで、言葉そのものが持つ印象を若返らせ、ライフスタイルブランドとしての広がりも視野に入れたポジショニングを構築。
また、夜という時間帯の持つ“静けさ・開放感・特別感”といった情緒価値を訴求軸とし、単なるプレイ空間の提供ではなく、「夜を遊ぶ」ことの新しい選択肢としてのゴルフ体験を打ち出すことを目指しました。
ビジュアルやトンマナ設計では、従来のグリーンやクラブといった“ゴルフ記号”から意図的に距離を取り、
ネオンや星空、ライトに照らされたシルエットなど、感性に訴えるモチーフを中心に展開。
SNS映えを意識した世界観設計により、ゴルフ未経験者やカジュアル層にも直感的な魅力が伝わる構成を徹底しました。
また、ゴルフの文脈における広義の若年層ではなく、さらに若い20〜30代にとって重要な「仲間との共有価値」にもフォーカスし、グループで楽しめる演出・写真映えするスポットの提案・プレイ後の余韻も設計に含めることで、“スポーツ”としてのゴルフから、“夜を楽しむコンテンツ”としてのゴルフへと再定義しています。
このように、単なるネーミング変更にとどまらず、ターゲットのライフスタイルや価値観から逆算したトータルブランディングを行い、「夜の過ごし方」と「ゴルフ」という一見離れた要素を接続する、新しい文化体験の創出を図りました。
Design Concept
デザインにおいては、“夜の特別感”と“都市的洗練”をテーマに構築。
ロゴは文字の持ち合わせる曲線と直線を活かしそこに対し夜が魅せる煌びやかで艶やかな姿と夜ならではの静寂のニュアンスを込め、プレイヤーと空間の調和を象徴しています。
昼のゴルフとは異なる“夜の質感”を視覚化し、アクティブでありながら品格のある世界観を目指しました。
また撮影ビジュアルやプロモーションでは、ボールの軌道が光跡のように空を描く瞬間、照明に照らされたシルエット、都市の夜景と重なるフェアウェイなど「静けさ × 躍動」という対比を意識し、プレイヤー自身が“夜の世界に溶け込む主人公”となる構図で体験価値を表現しています。
Color
NIGHT GOLFの世界を表現するには、黒が持っていない力が必要でした。
夜=黒が端的な表現ですが、自然の中で行うスポーツであるゴルフにとって、自然界に存在しない真っ黒を使用するのは避けたいところ。
NIGHT GOLFには夜のイメージはもちろん、人々が集ってゴルフを楽しむ活気やライトアップされた空気感、フィクションではない温かさが必要です。
それらを表現するために黒に限りなく近い紺色を調合しました。
色は、狭い範囲で使うほど暗く見える特性があります。実際にはもう少し明るく含みを持った色ですがロゴに落とし込まれると文字は細く範囲が狭いので暗く引き締まった奥行きのある黒のように見えます。
黒にも見え、それでいて味のある含みを持った青み、それこそがNIGHT GOLFを象徴する色です。
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